セブンイレブンのフランダースの犬の皿
何か月か前のこと。
セブンイレブンではパンやお弁当にポイントシールがついていた。
そこそこセブンイレブンを利用していたので、
気が付くとポイントシールは雨後のタケノコ状態。
部屋のそこかしこに生えまくっていった。
25ポイントは自然と貯まり、フランダースの犬の皿にまず1枚交換。
だがしかし、この時まだ、この出来事が後に伝説として語り継がれるであろう
壮大な物語の第一歩であることを誰一人として予想する者などいなかった。
その後もポイントシールはとどまることなく生え続け、
締め切り間近の7月の末には50ポイントを超える収穫。
フランダースの犬の皿に交換せねば。
ワクワク、フラフラ、ホイホイ、ノコノコとセブンイレブンへ出向く。
アルバイトの店員曰く、
交換する皿がありません。今追加生産していて8月の末にはできてくるから、
そのころまた来てくださいなのです、と。
わかりました、急いで使うわけでもないので、その頃また来てみます。
でも実は、なぜだかちょっぴりすぐ欲しいっていう方が本音だったので
他のセブンイレブンを何店か巡ってしまった。
やっぱり、どこも返事は同じ。8月末に来て下さい、なのでした。
月日は流れ、一か月後の8月の末、20日前後だったか。
もうさすがにのんびり屋のフランダースでも到着している頃だろう。
犬は、それはもう吠えてまくっていることだろう。
皿は店内を飛び交っているに違いないと、喜び勇んでセブンイレブンへ出向く。
アルバイトの店員曰く、
引換え券がないと交換できませんのです、と。
引換え券?何だそれは?そんな券の話はこれっぽっちも聞いちゃいない。
寝耳に水だ。クロールで耳に水だ。
アルバイトの店員ではらちがあかない。会議室は本店にあるはず。
織田裕二も言ってた。本店へお問い合わせる。
本店曰く、
いまだ引換え券への交換ならば可能です。
今ですとフランダースの犬の皿のお渡しは9月になってしまいますが、と。
もともとこちとら急いじゃいない。それでいいじゃない。
せっかく収穫したポイントさえゴミにならなきゃいいじゃない。
引換え券へ交換すべく、ここは落ち着きはらってセブンイレブンへ出向く。
アルバイトの店員曰く、
もう引換え券の交換は先月で終了しましたのです、と。
本店と話が違う。どうしても事件は現場で起こそうって気だ。
本店とのやりとりをアルバイトの店員に手取り足取り説明。
上の者に聞かないとわからないとのことで、ポイントは預かり、後ほど連絡する、と。
それでは、連絡待ってまーすと、しょぼしょぼ家路につく。
数日後、そのセブンイレブンより電話。
9月2日以降にお渡しできることになりましたので、その頃に取りにきて下さい、と。
願いは通じた。願った覚えもないのに。
そして昨日。
明鏡止水 、諸行無常、温故知新でセブンイレブンへ出向く。
BLACKBLACKのファミリボトルを発見。これは幸先(さいさき)がイイ!
これでゲームはクリアーに違いない。あとはエンディングを見るだけだよ、こりは。
スタッフロールだ。知らない人の名前がいっぱいだ。
友達の名前でもないかなと探してみる。芸能人と同じ名前がある。本人だったりしないよな。
アルバイト曰く、
そんなことがあるわけありません。
交換できるのは引換え券をお持ちの方に限りますです、と。
おぉ、キター!どんでん返しだ。これは、よくできたストーリーですよ。
こうこなくちゃ。起承転結の転です。転ですよ、こりは。
ここは当然、最後残り少ないMPを振り絞って食い下がる。
アルバイトは店長を呼んだ。
ラスボス登場!!!!
店長曰く、
今、交換者のリスト見たけど、名前ないね。
ここに名前のある人の分しかフランダースの犬の皿は届いてないんだよ。
だから基本的に無理だし、とにもかくにも、
そんな話は一切聞いていないし、そんな話は、ありえないんだよです、と。
もう駄目だ。駄目なんだ。駄目だった。
やっぱり駄目だったか。ラスボスは並大抵の強さじゃなかった。
HPの残りはもう一桁。文字は真っ赤。できることは全てやった。やりきった。
もう思い残すこともない。悔いもない。これはこれですばらしい人生だった。
ありがとう神様。神に祈った。
突然、アルバイトは叫んだ。
林さん!林さん!
あたりに、まばゆい光が溢れかえり、林さんは現れた。
林さんは言った。
お電話差し上げたフランダースの犬の皿を2枚交換の方ですね。
その刹那、ラスボスは消え去り、HPは満タンに戻った。
ついにフランダースの犬の皿2枚を手に入れた!
そんな誕生日。
セブンイレブンの皿、再び
ポイントがたまったわけで忘れないうちに交換に行ってきた。ブツがないというので引換券を渡される。この間みたいなことはもうコリゴリ。でも実は皿はさして欲しくなかったりもする。…